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モルタル吹付工とは?工法の流れ・特徴・向く現場を解説
モルタル吹付工は、法面(のり面)を保護する代表的な工法のひとつです。岩が露出した切土法面などで長く使われてきましたが、「どんな工法なのか」「どんな現場に向くのか」を改めて整理したい方も多いはずです。
この記事では、モルタル吹付工とは何かを、施工の流れ・特徴・向く現場・注意点までわかりやすく解説します。あわせて、重機や騒音が課題になる現場で検討される代替工法も紹介します。

まず結論:岩の風化・剥落を防ぐ表層保護工法
モルタル吹付工は、法面の表面にモルタルを吹き付けて被膜をつくり、岩の風化や小さな剥落を防ぐ工法です。植物が育ちにくい岩の法面など、植生工が適さない場所で選ばれます。一方で、機械の搬入・騒音・粉じん・小規模での割高といった制約もあり、現場によっては別の工法が向くこともあります。
モルタル吹付工とは
モルタル吹付工は、法面を整形したうえで金網(ラス)を張り、その上からセメントモルタルを吹き付けて表面を覆う工法です。硬い被膜で法面の表面を保護することで、雨水や風化による侵食、岩の小片の剥落を抑えます。
植物で覆う植生工が「生きた表面」で守るのに対し、モルタル吹付工は「硬い被膜」で守る構造物工に分類されます。岩が露出していて植生が定着しにくい法面などで使われてきました。

施工の流れ
おおまかな施工手順は次のとおりです。
- 法面の整形・清掃 … 浮石や風化した部分を取り除き、面を整える
- 金網(ラス)の設置 … アンカーピンなどで金網を法面に固定する
- モルタルの吹付 … 吹付機で所定の厚さにモルタルを吹き付ける
- 養生 … 硬化を待ち、ひび割れや剥離がないか確認する
吹付機・コンプレッサ・ミキサといった機械を使うため、これらを搬入できることが前提になります。

特徴(メリット)
- 岩の風化・剥落に強い … 硬い被膜で表面を保護できる
- 植生が定着しにくい法面に使える … 岩盤など植生工が不適な現場に対応
- 実績が豊富 … 古くから使われ、施工事例や知見が蓄積されている
注意点(デメリット・制約)
- 機械の搬入が前提 … 吹付機やコンプレッサが入らない山間部・狭小地・離島では難しい
- 騒音・粉じん … 吹付時に発生するため、住宅地や公共施設の近くでは配慮が必要
- 小規模では割高になりやすい … 機械の段取り費が相対的に重くなる
- 緑化・景観には不向きな場合がある … 仕上がりが硬い被膜のため

向く現場・向きにくい現場
| 条件 | モルタル吹付工 |
|---|---|
| 岩が露出した法面 | 向く |
| 大規模でまとまった面積 | 向く |
| 重機・吹付機が入らない現場 | 向きにくい |
| 住宅地・公共施設のそばで騒音を抑えたい | 向きにくい |
| 小規模・狭小地 | 割高になりやすい |
| 緑化・景観を重視 | 向きにくい |

重機・騒音・小規模が課題なら代替工法も
「吹付機が入らない」「騒音を抑えたい」「面積が小さく機械の段取りが見合わない」といった現場では、モルタル吹付工以外の選択肢も検討できます。たとえば、人力で施工できる水和硬化性マット(ドライマット)は、マットを敷いてアンカーピンで固定し、散水して硬化させる工法で、大型機械を使わずに法面の表層を保護できます。ドライマットはNETIS登録技術(CG-220028-A)です。
ただし、工法には向き不向きがあり、求める強度や崩壊リスクの大きさによって適否が変わります。代替工法の比較は「モルタル吹付工の代替工法5選」で詳しく解説しています。法面保護工全体の選び方は「法面保護工の種類を一覧で解説」も参考にしてください。

よくある質問
Q. モルタル吹付工はどんな法面に使われますか?
岩が露出していて植生が定着しにくい切土法面など、植生工が適さない場所で使われることが多い工法です。
Q. モルタル吹付工に機械は必要ですか?
吹付機・コンプレッサ・ミキサなどの機械が必要です。これらを搬入できることが施工の前提になります。
Q. モルタル吹付工とコンクリート吹付工の違いは?
どちらも吹付で表面を覆う工法ですが、一般にモルタルは細骨材中心で薄めの被膜、コンクリートは粗骨材を含み厚めに施工されます。求める強度や被覆厚、現場条件によって使い分けられます。
Q. 重機が入らない現場ではどうすればいいですか?
人力で施工できる工法(水和硬化性マットなど)が選択肢になります。現場条件によって適否が変わるため、写真や図面をもとに確認するのが確実です。
現場に合う工法を相談する
モルタル吹付工やその代替を検討中の方は、現場写真・図面・施工面積をお送りいただければ、適用できる工法の候補と必要な資料をご案内します。技術資料(カタログ・積算資料)の請求も承っています。